ハイサーム
製品概要
合成繊維、薬品、樹脂などをはじめとする各種化学工業や食品工業においては装置が大型化し、加熱容量の増大とともに品質の向上、工場操作、管理の合理化などの面から反応装置における反応熱の制御が重要な問題となっており、加熱方法も従来の電熱法および直火法に代わり熱媒体油を使用した間接加熱法が広範囲に用いられるようになりました。 熱媒体油を使用した間接加熱法の特長は
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低圧にして高温が得られる。
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局部加熱を防ぎ均一加熱ができる。
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温度、伝熱量の制御が自由で精密である。
- 急熱、急冷操作が可能である。
などの利点があり、ハイサームをご使用になれば上記特長を十分発揮することができます。 ハイサームは高度に溶剤精製された鉱油系熱媒体油で特に高温酸化安定性に優れているので長時間にわたりご使用いただいてもスラッジを生成することが少なく、安定性が優れ、非腐食性のため装置材料の選定に特に制限はありません。
1. 熱安定性、酸化安定性が優れている
循環使用中に受ける熱による熱分解と、高温酸化に対する安定性は熱媒体油としては最も重要な性能です。これらによって生成するスラッジ、レジン、アスファルトなどの混じったタール状物質が管壁などに付着すると、熱媒体油の熱伝導率を低下させたり、また循環を妨げたりします。 ハイサームは熱に不安定な物質を高度な特殊精製工程で除去し、その上特殊添加剤を配合しておりますので、高温で長時間使用してもスラッジの生成が少なく、装置の円滑な運転が可能で保守が容易です。
2. 揮発性、蒸気圧が低く引火点が高い
使用中の蒸発損失が多いものは熱媒体油としては適しません。ハイサームは適切な分留成分になっているため蒸発損失が少なく、また蒸気圧も低いので、循環系統の蒸気閉塞や、ポンプのキャビテーションを起こす心配が少ないという性質を持っています。
3. 低温流動性が良く、粘度変化が少ない
始動時(低温)の流動性の悪いものはポンプ作動の不良や局部加熱を招くおそれがありますが、ハイサームは流動点が低く、また粘度指数が高いので、温度による粘度変化が少ないという性質を持っています。
4. 毒性、臭気がない
ハイサームは、石油炭化水素系であるため安全性が高く、特有な臭気がありません。
5. 加熱効率が良い
ハイサームは、比熱、熱伝導度が高く、単位量当たり授受できる熱量が大きく経済的です。
使用上の注意事項
密閉型専用(空気に触れないように、窒素などの不活性ガスでパージして使用してください)。
種類
ハイサームには32、68の粘度の異なる2種類をそろえてあります。数字は40℃における動粘度mm2/sを表しています。
荷姿
200lドラム、20l缶
主な用途
- ゴムおよびプラスチックの成形、加硫、カレンダ処理。
- アスファルトプラント、および燃料タンクの加熱。
- タイル、リノリウム、紙製品ルーフィング材含浸、はり合わせ、接着、乾燥。
- 木材、合板、ベニアの乾燥、はり合わせ。
- 染料、油脂工業、化学薬品、ワニス、樹脂、その他化学工業などでの合成。
- 電線および電気部品、機械部品の塗装、絶縁、接着、乾燥。
- パネルヒータ
- その他
代表的性能
商品型番 | 32 | 68 |
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色 (ASTM) | ||
銅板腐食(100℃,3h) | ||
密度(15℃)g/cm3 | ||
動粘度(40℃)mm2/s | ||
流動点℃ | ||
引火点℃ | ||
粘度指数 | ||
酸価mgKOH/g |