170周年|01|取引先と連携したSDGsへの取り組み
地域の企業と企業をつなぐことで新たな価値を生みだす
— 取引先とともに進める、アップサイクルの取り組み —今回の取り組みは、食品卸でつながりのある取引先[藤居本家]さんとの日々の対話の中で見えてきた、ひとつの「困りごと」から始まりました。
梅酒の原料となる上質な国産の梅の実を、毎回トン単位で廃棄しているとのお話。伝統ある日本酒を含んだ、ぽってりとした梅の実は廃棄するには惜しい品質と美味しさです。そこでその実を、何か新しい商品にできないかとわたしたちは考えました。それは、製造工程の中で生まれる副産物の活用です。
相談したのは近江八幡にブルワリーをもつ[二兎醸造]さん。TWO RABBITS BREWINGとしてクラフトビールファンから愛される醸造所では、季節に合わせた新しいフレーバーのクラフトビールが登場します。ここなら、日本酒の香りと梅の味わいを生かした新しい商品を一緒に考えていただけるのではないかと、このプロジェクトが発足しました。
しかし今回の取り組みは、単に梅の実を再利用することにとどまりません。
取引先様とともに課題に向き合い、それぞれの視点や強みを掛け合わせることで、新たな価値を生み出していくことを目指しています。
一つの課題をきっかけに、企業同士のつながりが生まれ、そこから新しい取り組みが広がっていく――。
その積み重ねは、いつか地域全体の価値向上へとつながっていくのではないかとも考えています。
▼以下から、具体的なアイデアやプロジェクトの取り組みについてお届けします(随時更新)。
【01】藤居本家さんのこと
【02】二兎醸造/TWO RABBITS BREWINGさんのこと
【03】クラフトビールの醸造作業
【04】3社合同、梅の実の加工作業
【01】藤居本家さんのこと
天保二年(西暦1831年)創業、滋賀県愛荘町にある酒蔵。代表銘柄である「旭日」は、勢いよく昇っていく朝日のように物事が大きく伸びていく状態を意味しています。また、「琵琶の舞」や“まぼろしの酒米”と言われる渡船(わたりぶね)という品種の米をつかったお酒、「滋賀渡船六号」でも知られています。藤居本家と尾賀亀は、食品卸部門が取り扱うグラニュー糖を「梅酒」に使用していただいていることからお付き合いがあります。
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藤居本家の酒蔵(さかぐら)は、柱や梁をはじめ総けやき造り。けやきは日本の伝統建築で最高級木材のひとつとされ、美しい木目はもちろんのこと、温度・湿度の変化に強く、発酵に適した安定した空間を保つことが可能とされています。代々受け継がれる蔵ということもあり、重厚感が感じられることから、建築だけでもぜひ見に行っていただきたい場所です。また、国の登録有形文化財にも指定されている東蔵の奥では「かくれ蔵 藤居」としてお食事処も運営されています。

【02】二兎醸造/TWO RABBITS BREWINGさんのこと
二兎醸造は、近江八幡市を拠点とするクラフトビール醸造所(ブルワリー)です。オーストラリア出身のショーン・コレットさんと共同創業者が、2018年に設立。定番のIPAやスタウトはもちろん、地域や季節の素材を生かしたオリジナルのクラフトビールを期間限定で醸造しています。
個性的で美味しいビールにファンも多く、ブルワリーからほど近くにある店舗[TWO RABBITS BREWING]では、その日の気分で好みのクラフトビールを味わうことができます。サーバーから直接グラスに注ぐスタイルはもちろん、オリジナルラベルの缶の状態で購入することも可能です。
ぜひ八幡堀の歴史情緒あふれる街の一角で、ゆったりとくつろぎながら思い出に残るひとときを味わってみてください。

[TWO RABBITS BREWING]のビアハウス。歴史ある街に馴染む素敵な店舗は、“温故知新”を表現しているようです

シックで落ち着いた店内。観光客はもちろん地元の人や、クラフトビールファンも県内外から足を運ぶ人気店です

クラフトビールの醸造所。この場所で、美味しいビールが誕生します
【03】クラフトビールの醸造作業
打ち合わせを重ね、7月22日にはクラフトビールの醸造作業を実施しました!
立っているだけでも汗が滴る真夏日ではありましたが、自分たちの手でクラフトビールをつくるという貴重な機会。プロジェクトメンバーが集まり、二兎醸造の醸造所へ向かいました。尾賀亀の食品事業部に所属し、海外事業にて商品開発を担当する社員も関東から駆けつけ、一緒に醸造作業を行ないました。
今回は1,000Lの醸造。500Lの樽を2つ使用してクラフトビールづくりに挑みます!
7月22日、醸造作業の様子をレポート

作業が始まる前に、今回のプロジェクトメンバーでの記念撮影から。これからクラフトビールを醸造していきます!

大きな醸造機械に麦芽(モルト)を投入する作業を体験させていただきました。製麦・粉砕された麦芽をお湯と混ぜ、デンプンを糖分に変える工程です。二兎醸造では醸造に「純水」を使い、ミネラルなどを別で調整することでイメージする味わいを完成させているのだとか。
尾賀亀のクラフトビールも通常と同じ要領でつくられていきます。ただ今回は、藤居本家の「梅の実」を使用することから、梅との相性を考え、ビールには麦だけでなく米も使用しています。

全員で1つの醸造機械に麦芽を投入し終えたら、ここから時間を置き、その後「ろ過」して、煮沸しながらホップを投入します。

ホップの投入もプロジェクトメンバーが行いました。投入後しばらくすると、湯気からもホップの香りが感じられました。最初は麦芽の穀物の香りが強かったのですが、いよいよビールらしくなってきました。クラフトビールを醸造しているという実感がわきワクワクした瞬間です。
さてここから、次の「発酵」までの工程を二兎醸造さんにお任せしたいと思います。完成には約6週間を想定。その間に、梅の実の投入も予定されています。
尾賀亀のクラフトビールがどのように出来上がっていくか、ぜひこれからもご注目ください!
【04】3社合同、梅の実の加工作業
そして醸造作業から1ヶ月となる頃には、クラフトビールの味の決め手となる「梅の実」を投入することに。そこで8月17日18日の2日間に渡り、梅の実を種から外す加工作業を行ないました。
初日は尾賀亀本社が作業場です。プロジェクトメンバーはもちろんのこと、それ以外の社員も有志で集まり、作業に没頭しました。作業を行なう前までは“梅の実を種から外す”ということを簡単に考えていましたが、元は青梅。市販の梅干しなどとは違い、種に実がしっかりと付いていて手で取り外すにはひと苦労でした。試行錯誤を重ね、最終的にはナイフを使っての作業に落ち着き、予定通りの終了時間に47kgの梅の実を用意できました。
また2日目は二兎醸造さんのビアハウスを作業場としてお借りし、藤居本家さんにもご参加いただいた3社合同で作業を行ないました。今回の企画のきっかけとなった藤居本家さんと、受け手となってくれた二兎醸造さん、そしてわたしたち尾賀亀が揃う特別な時間となりました。地域の企業が手と取り合った今回の企画がカタチになったことを心から喜ばしく思いました。
8月17日、尾賀亀本社での作業

試行錯誤しながら、青梅の種を取り外していきました。午前中はプロジェクトメンバーを中心に作業を行いました。

作業場には、藤居本家さんの日本酒を含んだ、ぽってりとした青梅の香りが広がっていました。

滋賀県産の青梅47kgの作業が完了!達成感でいっぱいです。
8月18日、3社合同での作業

この日は、定休日であった二兎醸造さんの[TWO RABBITS ビアハウス]をお借りしての作業。二兎醸造さんはもちろんのこと、藤居本家さんにもご参加いただけました。

広がる香りに癒されながら、梅の実から種を取り外します。尾賀亀社員は、作業に慣れてきていたのか初日よりもスピーディーでした。

最後は3社にて記念撮影。クラフトビールの完成が待ち遠しいです!!!